インプラントとは、失ってしまった自分の歯の代わりに、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着して噛み合わせを回復する治療法です。
インプラントってなに?
基本的には3つのパーツから構成されています。
①(上部構造)
歯の部分に相当する人工歯
②(アバットメント)
インプラント体の上に取り付けられる支台部
③(インプラント体)
顎骨の中に埋め込まれる部分すなわち歯根部
インプラントの治療内容
術式には大きく二つに分けられます。手術を1回だけ行う1回法と、手術を2回に分けて行う2回法があります。
1回法
インプラント体を埋める部位の粘膜を切開して骨を露出させ、ドリルで穴を開けワンピースインプラントを埋め込みます。 ツーピースインプラントの場合にはインプラント体を埋め込み、同時にアバットメントを連結します。
2回法
1回法と同じようにしてインプラント体を埋め込んだ後、上部の穴にカバーを付けます。切開した粘膜を糸で縫い合わせて1回目の手術は終了です。 インプラント体と骨が結合するまで上顎(上あご)では5カ月前後、下顎(下あご)では3カ月前後待ちます(治癒期間)。 2回目の手術はカバーの上の粘膜を切開して、カバーを除去後仮のアバットメント(ヒーリングアバットメント)を連結します。 粘膜の治癒を2~3週間待って、本物のアバットメントを連結します。骨の量が十分にあり硬い場合には1回法でも問題はありませんが、 骨の量が少なく骨移植が必要だったり骨が軟らかい場合には2回法が行われます。
インプラント治療のよくあるご質問
- 年齢制限はありますか?
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成長発達中の子供には基本的にはインプラント治療はしません。
現在のインプラントは骨と結合するため、顎骨の発達に伴って骨の中に埋没してしまうからです。
インプラント治療は40歳から60歳が中心となりますが、高齢者でも抜歯などの手術を受けられる健康状態であれば可能です。
- 持病を抱えているのですが、治療を受けられますか?
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手術が伴うため誰でも受けられるというわけにはいきません。
【心疾患】症状が重い人や安定していない人は治療が難しくなります。
【糖尿病】手術後の傷の治りが悪くなり、感染の危険性が増します。 また、骨を作る細胞の機能や数が低下して骨結合ができなくなる恐れがあり、治療後にはインプラント周囲炎を起こしやすくなります。
【骨粗しょう症】予防薬あるいは治療薬としてビスホスフォネート製剤を使用している場合は、手術後に顎骨の懐死に至ることがあるので注意が必要です。
- 喫煙者でも治療を受けられますか?
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当院では、喫煙されている方のインプラント治療は行っておりませんので、あらかじめご承知おきくださいませ。
喫煙により粘膜の血液の流れが悪くなって、傷の治りや骨を作る細胞の増殖や分化に影響し、骨の治療が遅れたりするリスクがあります。
- インプラントの費用はどの位になりますか?
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インプラントの治療費は、初診からCT検査、臨床検査、手術費、上部構造の制作費などを合わせて、1本あたり30万円~40万円かかります。
- メインテナンスはどのように行われますか?
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上部構造を装着したらインプラント治療は終わりではありません。むしろインプラントを長く持たせるためには日常の手入れと観察が大切です。 清掃は歯科衛生士が専用の歯ブラシなどを使用して行います。検査は装着から1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後、1年後に行います。 1年後以降は、特に問題がなければ年1回のメインテナンスを行います。